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2002年06月21日号 最新号 2002年08月08日号

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    園芸ファン通信          【Vol.15】  2002年7月15日号

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★7月中旬〜7月後半の行事                     
 新盆(7月15日) 海の日・土用丑の日(7月20日) 大暑(7月23日) 

 7月にこんなに本土に接近した台風は珍しいですね。台風が去った地方では
日差しが戻り、気温もグングン上昇しています。台風一過というよりは、梅雨
明け??のような感じです。このまま本格的な夏に突入するのでしょうか。ま
た、台風が次々と発生しています。天気予報に目が離せませんね。

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■季節の手入れポイント■ 

<花壇・ガーデニング>
 長雨のシーズンもそろそろ、終わりにかかっています。梅雨の間、あまり手
入れのできなかった花壇では、病害虫が発生していたり、茂りすぎた株もでて
きます。早めに見回って、薬剤散布や害虫の捕殺、茂りすぎた枝の剪定をして、
夏に備えましょう。

<花木・庭木>
 これからの時期は、春に咲いてくれた花木類で来年の花芽が作られる(これ
を「花芽分化」といいます)時期です。今の時期に枝を切ったり、肥料をやっ
たりすると、この花芽分化のメカニズムが乱されますので、注意しましょう。
株の根元から出た台芽や徒長枝の切り詰めほかは、特に込みすぎた枝の間引き
や、伸びすぎた枝の先を止める程度にしましょう。また、病害虫の発生も多い
時期です。防除については前号をご覧ください。

<花鉢物>
 梅雨が明けると、多くの鉢物類には厳しい真夏になります。ほかの季節は日
当たりに置くフクシアや球根ベゴニア、シャコバサボテン、マーガレット、ユ
ーリオプシスデージー、シンビジウムなども強い直射日光の当たらない、風通
りのよい涼しい場所に移しましょう。
鉢物類の水やりは朝の涼しい時間にたっぷりと与えます。夕方までに土が完全
に乾いてしまう場合は、置き場所を変えるか鉢を一回り大きなものに移します。

<家庭菜園・ハーブ>
 ナスやトマト、キュウリなどの夏野菜の収穫の盛期になります。肥切れさせ
ないよう、2〜3週間おきに定期的に追肥をあたえ、根元に土寄せしましょう。
また、晴天が続くようになったら、土が乾燥しすぎないように涼しい朝か夕方
にたっぷりと水やりしましょう。

 ハーブ類は夏の高温多湿を嫌う種類が多いので、茂りすぎた株は枝を切りす
かし、ラベンダーなど、花が終わった株は切り詰めます。 

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■アサガオの鉢替え■
 
 入谷(東京・台東区)などの朝顔市で行灯作りの朝顔鉢を求められた方、う
まく咲き続けてくれていますか。というのは、こうした鉢はにぎやかに見せる
ため、1鉢に3、4本の苗が植えられています。そのため、すぐに鉢いっぱい
に根が回ってしまい、そうすると花の数が少なくなり、花の大きさも小さくな
ります。できたら、鉢底から長く根が出てくる前に、一回り以上大きな鉢に植
え替えてやりましょう。
朝ちょっと早起きし、日が照りつける前にアサガオを行灯枠ごと鉢からそっと
抜き、新しい鉢に植えなおします。用土は市販の培養土でよく、用土に肥料を
混ぜる必要はありません。植え替えたら、たっぷりと水やりし、その日は半日
陰のところに置き、翌日から日のあたる場所に移します。1週間位したら、小
さじいっぱいくらい、マグアンプKなどの緩効性固形肥料を鉢の表面にばらま
けばよいでしょう。
 ツンベルギア・アラータなどつる性植物の鉢物も同様に管理すれば、長く花
が楽しめます。

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■夏花壇の手入れ■ 
 
●水やり 
 夏の花壇やハンギングの大敵は水切れです。特にトレニアやインパチエンス
は弱いですから、注意しましょう。晴れた日が続く場合は、花壇でも土の渇き
具合を確かめて、2、3日に1回くらい水やりしましょう。

●花がら摘み・枝抜き 
 長く咲き続ける草花では消耗をさけるために、花がらをこまめに摘み、込み
合ってきた枝や咲き進んで花が少なくなってきた枝は、元の2節くらい残して
剪定しましょう。

●挿し芽 
 ポーチュラカ、マツバボタン、ニチニチソウなどは、剪定した枝を清潔な川
砂や赤玉土に挿せば、10日ほどで発根します。

 日本園芸協会のホームページ“季節の園芸作業”にニチニチソウの挿し穂の
写真が載っています。ご覧ください。
⇒ http://www.gardening.or.jp/colum/index.html#nichi

●追肥 
 元気よく伸びている株には追肥しましょう。2週間に1回くらいの割で液肥
を与えるか、2か月に1回マグアンプKなどの緩効性肥料を1鉢に小さじ1杯
くらい与えればよいでしょう。

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■今、植えてすぐに収穫できるハーブと野菜■
 
 夏ばて防止には、新鮮な野菜が一番。「しまった、今年は植えてない!」と
いうあなたにお勧めの、植えてすぐに収穫できる種類を紹介します。

●バジル 
 新鮮な香りがスパゲッティーやスープに人気です。1ポット4、5本植えで
すから、1本1本、ざっくりと切り分けて、プランターか鉢に(最初は3.5
号で育ったら5号鉢)。水はけのよい用土で植え、必ず日当たりに置きます。
10日もすれば収穫可。花が咲かないよう、花穂が立ってきたら摘み取ります。

●アサガオナ(エンサイ) 
 ビタミンやミネラルが豊富で生でサラダに、またおひたしや油いために。適
地は日当たりのよい肥沃地。株間20センチくらいで定植し、摘芯。伸びてき
た新芽を10〜20センチで収穫。水を好むので、水切れしないように注意し
ます。

●モロヘイヤ 
 健康野菜として有名で、和え物、油いため、おひたしなどに。株間50セン
チくらいに定植し、芽先を摘芯して伸びてきた若い芽先を15センチくらいで
収穫します。肥切れしないよう、2週間に1回くらい追肥します。
 このほか、ミント類なら芽先をつんでティーに使えますし、実物なら、ミニ
トマトが早くから収穫できるでしょう。

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■熱帯花木は庭植えしよう■ 

●ハイビスカス 
 夏の花といえばハイビスカス。1日花ですが、新しい枝先に、次から次へと
花を咲かせてくれるものです。ただ、いったん根ずまりさせると、てきめんに
花が咲かなくなります。新しく入手した鉢は、すぐに根鉢を崩さないように一
回り大きな鉢に植えなおせばよいのですが、いっそ庭に植えてしまいましょう。

☆適地 
 日当たりがよく水はけのよい肥沃地。

☆植え方 
 根鉢を1/3くらいほぐし、根を伸ばすように植え付け、支柱を立てます。

☆肥料・水やり 
 根付いて新しく芽が動いてきたら、マグアンプKなどの緩効性肥料を小さじ
に1杯くらい根元にばらまきます。追肥は同量を2か月後に。水やりは植え付
け時にたっぷりと与えたら、後は特に乾燥が続くとき以外は必要ありません。

☆鉢上げ 
 10月になり花が咲かなくなったら、掘り上げて根と枝を切り詰めて鉢に上
げ、日のよく当たる室内で管理します。

●庭植えできる熱帯花木 
 同様にエンゼルトランペットが育てられます。草丈の低いペンタスやサンタ
ンカは花壇に植えてよいでしょう。

 日本園芸協会のホームページ“季節の園芸作業”に同じ熱帯花木のブーゲン
ビレアの花後の剪定の仕方の図解が載っています。ご覧ください。
⇒ http://www.gardening.or.jp/colum/index.html#bugen

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■乾燥防止のマルチング■
 
 梅雨明けすると、てきめんに雨の少なくなるのが日本の夏。近年は、庭の樹
木や街路樹などが、夏に水不足で枯れたという話を聞くことが多くなりました。
土の乾燥防止に役立つマルチング(敷き藁)をしましょう。

1.マルチングの必要な樹木と樹種 
 特に今年植えた樹木や植え替えたばかりの樹木。樹種としては、ハナミズキ、
アヤマボウシ、ナツツバキ、ヒメシャラ、モミジ類など。

2.マルチングの材料 
 腐葉土やピートモス

3.マルチングの仕方 
 材料を株元から根回りに7、8センチ敷き詰める。その後、軽く水やりして
おけば、風によって飛散しない。風の強く当たる場所では、マルチングの上か
ら、太目の木の枝や木片などを重石代わりにところどころに置いて、飛散防止
するとよい。

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■夏の種子まき■
 
 晩秋から冬〜春花壇にかかせないハボタンやパンジー・ビオラ。苗を買うと
結構高いですね。ハボタンやパンジー・ビオラの種子まきはこれから夏の間で
す。今年は夏の種子まきに挑戦しましょう。

<ハボタン>
1.まき時期 
   ふつうは7〜8月。寄せ植え用の小苗作りなら9月。

2.まき床と用土 
   平鉢に清潔なピートモスとバーミキュライトを等量混合

3.まき方 
   鉢全面にばらまきに、覆土は1センチくらい。

4.発芽までの管理 
   まき終えたら腰水し、発芽まで管理。

5.移植 
   4、5日で発芽する。本葉が出てきたら3センチ間隔で移植し、1か月
  後に10〜12センチ間隔で移植。発芽したら、5〜7日おきに液肥を与
  える。

6.注意 
   青虫がつきやすいが、スミチオン乳剤は使わないこと(薬害が出る)。
  サイアノックス乳剤を散布。

 日本園芸協会のホームページ“季節の園芸作業”にハボタンの種子まきの図
解が載っています。ご覧ください。
⇒ http://www.gardening.or.jp/colum/index.html#habotan


 <パンジー・ビオラ>
1.まき時期 
   8月下旬から9月上旬(関東地方標準。寒冷地ならば2週間くらい前、
  暖地ならばその分遅くします)。

2.低温処理 
   パンジー・ビオラは種子をまく前に低温処理が必要。低温処理は種子を
  吸水させてから、冷蔵すること。

3.低温処理の期間 
   1か月ほど必要。まく時期に合わせて低温処理を始める。

4.低温処理の方法 
   深めの小皿の底にさらした木綿などの小布を敷き、水を注いで湿らせ、
  その上に種子を置く。小皿の表面をサランラップで覆って密閉し、冷蔵庫
  の野菜室に保管(種子の蒔き方は次回に紹介します)。

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◎中国の中でも植物の宝庫として知られる雲南省の西北部山岳地帯の美しい花、
珍しい花を多数紹介した写真集(上製本)です。シャクナゲ、野生ボタン・シ
ャクヤク、プリムラ、リンドウ、アツモリソウ類など興味を引く植物の貴重な
写真が載っています。雲南の植物観察のガイドブックとしても重宝いただけま
す。

★著者は日本園芸協会の通信講座「山野草講座」を共同執筆。著書多数。中国
を中心に東アジアの野生植物を広く研究・探索している日本の山草界の第一人
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