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2002年12月09日号 トップページへ 2003年01月21日号

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    園芸ファン通信          【Vol.23】  2002年12月24日号

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★12月の行事  
 冬至   (12月22日)  天皇誕生日(12月23日)
 クリスマス(12月25日)   大晦日  (12月31日)
                                  
 今年もいろいろなことがあった一年でした。北朝鮮による拉致問題やイラク
の問題は年を越しそうです。園芸関係では、秋半ばまでの高温とその後の低温
が大きかったですね。そのため、ガーデニング計画がうまく進められなかった
とのお便りもいただいています。あなたの場合はいかがでしたでしょう。

 さて、もうじき新しい年を迎えます。日本で一番早く初日の出が見られるの
は、太平洋の孤島・南鳥島。ちなみに、全国の主要地域での元旦(平成15年)
の日の出の時刻は次のとおりです。

納沙布岬  6時49分  札幌 7時06分  仙台    6時53分
新潟    6時59分  東京 6時50分  犬吠埼   6時46分
名古屋    7時00分  大阪 7時05分  福岡    7時23分
鹿児島    7時17分  那覇 7時17分  与那国島  7時31分
(海上保安庁情報より)

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■季節の手入れポイント■ 

<花壇・ガーデニング>
 先号と同じです。戸外の作業は、特にはありません。

<花木・庭木>
 樹木が休眠に入る時期は手入れのシーズンです。お正月をすっきりとした庭
で迎えるためにも、マツやヒバ類などの針葉の庭木や、落葉の花木・果樹など
の剪定をすませていない方は、手入れを行なっておきましょう。モミジ・カエ
デ類の剪定も年内に済ませておきましょう。

*協会のホームページ“季節の園芸作業”の12月号に「庭木の剪定」の方法
が詳しく載っています。ご覧ください。
-> http://www.gardening.or.jp/colum/index.html#teire

<花鉢物>
 時期的に鉢物の種類が多くなるシーズンです。値段もクリスマスシーズンの
盛期のこの時期が一番高くなります。今まで買わないでいたのなら、いっそう
クリスマスが終わるまでまって、値段が安くなってから購入したほうがよいか
もしれませんね。その分、品種や色数は少なくなりますが。

 また、ウメや松竹梅、フクジュソウなど、正月を飾る和風の鉢物が出まわる
ようになります。

<家庭菜園・ハーブ>
 先号と同じです。戸外での仕事は、特にはありません。

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■正月用の鉢物の手入れ■ 

 お正月にはやはり、和風の鉢物がふさわしいですね。梅、放春花(ボケ)、
福寿草、松竹梅や七草の寄せ植え、千両、万両、唐橘(カラタチバナ)などな
ど。名前だけで目出たさ、福々しさが感じられるような気がします。

<入手した鉢の手入れポイント>
●置き場所 
 よく日が当り、強い風の当らないところ。室内に置く場合は、直接暖房の風
が当らないところを選びます。ウメなどで蕾が大きくなっている鉢は、温かい
室内に置いておくと正月前に咲いてしまうことがあります。この場合は、やや
温度の低いところで管理しておきます。

●水やり 
 土の表面が乾いてきたら、たっぷりとあたえます。

●霧吹き 
 空気が乾燥している室内に置くと、蕾が落ちたり、うまく蕾が開かない場合
がありますが、これは湿度不足。朝晩、霧吹きで軽くスプレーしてやれば、ち
ゃんと咲いてくれるはずです。固い蕾は、ピンセットなどで蕾の先を少し開い
てやると、咲きやすくなります。

●花後の管理 
 花が終わった鉢は、外に出しましょう。マンリョウなどは関東以北では寒が
りますので、室内の明るい窓辺などで春まですごさせます。実はそのままつけ
ておくと、株が弱りますので、2月になったら摘むようにします。

{注意} 
 フクジュソウの長い根を切り詰めて、無理やり鉢におさめた寄せ植えに気を
つけましょう。??Π??根から水が吸えず花が開かないで終わってしまうのです。見た
目で見分けるのは、まずできません(ちょっと蕾が元気なく萎れ加減ですが)。
いつも利用している信用できるお店で求めるようにしましょう。

 なお、フクジュソウの鉢植えは、春になったら一回り大きな鉢か庭に下ろし
ます。

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■モミジ・カエデ類の剪定■

 庭のお手入れはおすみですか(まだの場合は、前号、前々号参照)。余裕が
あるようならば、モミジ・カエデ類の剪定をすませておきましょう。

 モミジ・カエデ類は根の活動が早く樹液の流れが早いので、剪定は落葉後早
めに、できたら年内にすませておきたい種類なのです(遅くても1月いっぱい
くらい)。

 もともと自然樹形で育てる樹種ですから、強い剪定は必要なく、夏に出た徒長
枝や立ち枝、伸びすぎた枝、込みすぎたところの枝の整理程度です。太い枝を
切ると枯れ込みやすく、くさりが入って洞(うろ)になってしまうことがあり
ます。太枝を切るときは、枝の根元から切り、切口にはツギロウなどの癒合剤
を塗るとよいでしょう。

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■花鉢物の手入れ■
 
 部屋の中で花の咲いている鉢物があると気持ちが安らぎますね。早めに入手
した鉢物はそろそろ液肥を施す時期です。また、咲き終わった花がらはまめに
摘み、株の負担を少なくしてあげましょう。

●シクラメン
 葉組みをしましょう。花茎を真中に集め、替わりに大きな葉を外側に持って
きます。そうすると光が中にまで入るようになり、花が途切れなく咲きつづけ
てくれます。枯れた花や黄色くなった葉は、強引に引っ張って抜かず、萎れて
抜けるようになってから整理しましょう。

●プリムラ類
 オブコニカはシクラメンと同じ葉組みをしましょう。ポリアンサは、葉の裏
から花が上がることがありますから、花を真中に集めるようにし、終わった花
は先の細いハサミで下のほうから切り取ります。また、オブコニカやマラコイ
デスで花茎が多く上がってきたら、先に咲いた茎から、切りとって切花にして
楽しむようにすると、順調に咲きつづけてくれます。

●シンビジウム
 花はだいぶ咲き進みましたか。最後の蕾が開くまではよく日に当てるように
し、全部開いたら場所を移してもよいでしょう。この段階で切花にすると、株
の回復が早くなります。また、萎れた花は1つずつこまめに摘み取りましょう。

●ベゴニア類
 クリスマスベゴニアやエラチオールベゴニアも、春まで長く咲きつづけてく
れる種類です。花がらをこまめに摘み、追肥も欠かさないように。なお、ベゴ
ニア類は上の3種よりも、高めの温度(12、3℃)を好みますので、やや暖
かい部屋に置きましょう。

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■クリスマスローズの話■

 この時期になると、クローズアップされる花のひとつがクリスマスローズで
す。でも、うちのクリスマスローズは、クリスマスのシーズンに花が咲かない
と不満をお持ちの方もおいでのようです。今回はその話です。

●クリスマスローズの仲間
 クリスマスローズの仲間は、キンポウゲ科のヘレボルス属(Helleborus)。
この属には10数種の原種とその交配種があり、ガーデニングの本家ともいえ
るイギリスでも、冬の庭を飾ってくれる貴重な花として、大変に人気が高いそ
うです。原産地はヨーロッパと西アジア(1種だけ中国のチベット)。

●本当のクリスマスローズ?
 もともとクリスマスローズの名前は、ヘレボルスの中のノイガー(H.niger)
という原種につけられたものです。実際、ノイガーはヨーロッパではちゃんと
クリスマスの頃に咲いているそうです。花もクリスマスにふさわしい清々しい
純白色。

 ただ日本では、暖冬の年はうまくクリスマスの時期には咲いてくれず、開花
はだいたい1月すぎになってしまうようです。これは、低温の期間を経験しな
いと花が開かない性質があるためです。そのため、最近は一度低温にあわせて
から加温して咲かせた株が出回るようになっています。

●よく見かける種類
 ヘレボルス属にはもうひとつ重要な種として、キリスト教のレンテン節(復
活祭前の30日間)の頃に咲くので、レンテンローズの名前が??Π??つけられたオリ
エンタリス(H.orientalis)があります。

 現在、クリスマスローズとして出回っているのは、このオリエンタリスを中
心に交配改良された「ヘレボルス・オリエンタリス・ハイブリッド」という系
統なのです。この系統は花が大輪で輪数も多く、花色も白から桃、黄緑、赤紫
系と豊富で、性質も強健で育てやすいのですが、花期は早春(2〜3月)です。

●クリスマスローズがクリスマスに咲かないわけ?
 日本でも昔は「クリスマスローズ」と「レンテンローズ」を区別して呼んで
いました。ただ、なじみのないレンテン節よりもクリスマスの方がわかりやす
いせいか、最近は、「ヘレボルス属」全体を「クリスマスローズ」と呼ぶこと
が多くなっています。そのほうがイメージ的にもよく、売りやすいのですね。

 現在、普通にクリスマスローズを入手すると、ほとんどが「ヘレボルス・オ
リエンタリス・ハイブリッド」になってしまいます。クリスマスシーズンに合
わせるために、加温促成して花を咲かせたものが出回るようになっていますが、
これを普通に栽培すると、翌年元に戻り、早春の開花になります。

<クリスマスローズ栽培のポイント>
1.適地は半日陰の水はけのよい肥沃地、落葉樹の下など

2.用土には腐葉土か堆肥をすきこんでおき、石灰を一掴み混ぜる

3.鉢植えは根が大きいのでやや大きめの深鉢

4.4、5年に1回植え替える

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◆◆◆イベント情報◆◆◆  

 来年1月の園芸・ガーデニング関係の催し物を調べました。ぜひ出かけて見
ましょう。

●名古屋愛蘭会第53回洋蘭展(名古屋・松坂屋本店)
  1月3日〜6日(連絡先 Tel 052-431-0734)

●第44回洋ラン展(東京・銀座松坂屋店)
  1月9日〜14日(連絡先 Tel 03-3302-5679)

●第28回日本盆栽作風展(東京・大丸東京店)
  1月9日〜14日(連絡先 Tel 03-3821-4587)

●第73回銘風盆栽展(名古屋・名古屋市吹上ホール)
  1月11日〜13日(連絡先 Tel 052-351-3873)

●春の洋らん展(鹿児島・かごしま熱帯植物園)
  1月24日〜2月2日(連絡先 Tel 099-225-4470)

●第52回関東東海花の展覧会(東京・池袋サンシャインシティ文化会館)
  1月31日〜2月2日(連絡先 Tel 03-3434-9554)

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■「GAREN BOOK 2003」 発売のお知らせ■
 
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★前号のプレゼント★

 前号??Π??のプレゼント「クリスマスイルミネーション」に、たくさんのご応募を
いただきましてありがとうございました。

 100名を越えるご応募をいただきましたので、抽選で5名様にお送りいた
しました。次のプレゼントは、次号でご案内いたします。

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本年もご購読いただきありがとうございました。来年も宜しくお願い致します。
 
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 います。 http://www.gardening.or.jp/qa/index.html

 日本園芸協会 〒151-8671 東京都渋谷区元代々木町14-3
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