日本園芸協会日本園芸協会メールマガジン
ENJOY!

2003年07月28日号 トップページへ 2003年09月19日号

*************************************************************************

    園芸ファン通信      【Vol.34】  2003年8月14日号

*************************************************************************

 猛暑の日が続きますが、台風の襲来もあり、夏らしい晴天はあまり続かない
ようです。草花類の栽培には支障は無いのですが、野菜や果樹、稲などの育ち
が遅れているようで心配ですね。

 今回は、秋に花を咲かせるバラの夏の剪定、洋ランの冬の開花を左右する夏
のお手入れ、最近人気の高い宿根アサガオの性質や栽培方法、秋を代表する花
シュウメイギクの楽しみ方などをご紹介します。

■■■■■■■■■■■■■■■今号の目次■■■■■■■■■■■■■■■

(1)秋バラをきれいに咲かせる夏の剪定!!

(2)夏の手入れが洋ランの冬の開花を左右します
  ―――シンビジウム、デンドロビウム、パフィオペディルム、
     ファレノプシス、カトレア

(3)草木灰を与えて早く花を咲かせる
  ―――人気の宿根アサガオの育て方

(4)秋を先取り!!シュウメイギクは水切れに注意

(5)季節の手入れポイント
  ―――花壇・ガーデニング、庭木・花木、花鉢物・観葉植物、
     家庭菜園・ハーブ

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*--
 
================================================
(1)ハイブリッド・ティーローズの夏季剪定
================================================

 夏の間、花を咲かせないで休ませていたハイブリッド・ティーローズは、秋
によい花を咲かせるために夏の終わりに剪定します。

 <剪定の時期>
 関東地方以西では、8月25日〜9月15日頃までが時期です。北の地方で
は少し早めに、1日の最低温度が27、8℃以下になった頃が目安です。

 <剪定の仕方>
 夏の剪定は、冬の剪定よりも軽く、枝全体の1/3程度を切り詰めればよい
でしょう。目安は、春に2番花を付けた枝の中間くらいです。小枝も、込み過
ぎたところ以外はなるべく残すようにします。

 <剪定後の管理>
 雨が多くなると病気が出やすくなるので、サプロールなどの殺菌剤を散布し
ます。夏の初めに肥料を与えていなかった場合は、液肥を追肥します。

 <その他のバラの手入れ>
 フロリバンダローズやイングリッシュローズで四季咲きの品種は、ハイブリッ
ド・ティーローズと同じでよいでしょう。一季咲きの種類は、来年花が咲く位
置を考えてシュートを切り詰めます(目安は2/3切り詰め程度)。

----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*--

================================================
(2)洋ランの夏の手入れ
================================================

 夏は、春から伸び出した新芽がいよいよ旺盛に成育・充実し、バルブが太り
だす時期です。この時期の管理が、冬の開花を左右します。

 <シンビジウム>
 水を好む種類ですから、毎朝たっぷりと水やりをします。葉が茶色に変色し
ているのは、日照が強くて葉焼けしたものですから、30〜50%くらいの遮
光率の寒冷紗を張りましょう。肥料は夜温が25℃を割るようになるまでは中
止します(そうなったら、液肥を与えます)。

 <デンドロビウム>
 そろそろ新芽の伸びが止まり、横に太り始めます。成長の遅い株には、規定
の2、3倍に薄めた液肥を施しましょう。なお、高芽(幹の途中から出た新芽)
が多数出るのは、肥料の施し過ぎによることが多いので注意しましょう。

 <パフィオペディルム>
 夏は肥料を中止し、水やりも早朝(か夕方)に行うようにします。風通しが
悪いと、葉の付け根からにじみ出したように腐り始める軟腐病が出やすくなり
ます。

 軟腐病が出たら、痛んだ葉を切り取り、抗生物質(マイシン系の薬剤)を散
布し、乾燥気味に管理します。なお、株がぐらついているものは、根が傷んで
いるものですから、すぐに植え替えます。

 <ファレノプシス(胡蝶蘭)>
 ミズゴケが古くなった株や、鉢から根が飛び出ているものは、8月一杯に植
え替えましょう。普通の株には、10日に1回液肥を与え、水やりは朝たっぷ
りと、夕方に葉水を与えます。遮光は70%くらいとし、日中35℃以上にな
らない風通りのよい樹林下などで管理します。

 <カトレア>
 夏は肥料を中止し(成長の遅い株には、規定の2、3倍に薄めた液肥を施す)、
水やりも早朝(か夕方)に行うようにします。バルブがしなびたりして成長し
ないのは、過湿が続いたり、肥料過多などで根が傷んだものです。急いで植え
替えをしましょう。

----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*--

================================================
(3)宿根アサガオの手入れ
================================================

 最近、丈夫でツルが長く伸び、花もいっぱい咲くので人気が高い宿根アサガ
オ。イリオモテ(西表)アサガオや品種名のオーシャンブルーなどの名前で販
売されていますが、まだ性質や栽培方法はあまり知られていないようです。

 <名前>
 宿根アサガオ、西表アサガオ、琉球アサガオなどの名前の他、オーシャンブ
ルー、クリスタルブルーなどの品種名で流通しています。植物学的には、伊豆
七島、紀伊半島以南の熱帯アジアに広く分布するノアサガオ(ヒルガオ科 学
名 Pharbitis congestaまたはIpomoea indica)とその園芸品種です。

 <用途>
 大きく茂りますので、大型のコンテナ植えか庭植えがよいでしょう。ツルも
よく伸びますので、アーチ仕立てやスクリーン仕立てがよく、西日よけや目隠
し用に適します。

 <性質>
 アサガオと同じ属ですが宿根性で、ツルは14.5メートルまで伸びます。
花は房咲きで多花性、花持ちもよく、夕方まで咲いていることもあります。た
だ、短日性が強く、秋にならないと花が咲きにくい面があります。特に植え付
け1年目は花が付きにくいようです。

 <管理>
 性質は強健で、日当たりと水はけのよいところならよく育ち、乾燥にも耐え
ます。寒さには弱いのですが、強い霜が当たらなければ越冬できます。

 寒冷地では、鉢植えなどにし、冬は凍らない所で管理すればよいでしょう。
肥料は少なめでよいのですが、草木灰などのカリ肥料を与えると、花が咲きや
すくなります。

 <繁殖>
 種子が付きにくいので、挿し芽(活着のよい)か株元から出るランナーで増
やします。

 <病害虫>
 ほとんどないのですが、公害には弱いようで、光化学スモッグや自動車の排
気ガスで葉に斑点ができ、穴が空くことがあります。この場合は、朝晩、ホー
スで葉を洗うと予防ができます。

----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*--

================================================
(4)秋を先取り涼しげなシュウメイギク
================================================

 本来の花期にはちょっと早いのですが、シュウメイギク(秋明菊)の鉢物が
出回り始めています。涼しげで優雅な草姿は、日本の秋を代表する花のひとつ
と言えるでしょう(原産は中国といわれますが)。最近は改良された矮性種も
出回り、楽しみが増えました。シュウメイギクの楽しみ方を紹介します。

 <適地>
 午前中はよく日が当たり、午後は半日陰になるところがよいでしょう。庭に
下ろす場合はやや湿った肥沃地を選び、酸性には強くないので、石灰類を散布
しておくとよいです。

 <鉢植えの管理>
 シュウメイギクは草丈が大きく根も大きいのですが、市販の鉢植えは小さな
鉢に植えられていて、水切れを起こしやすいので注意しましょう。

 入手したら、強い日照には当てないようにして、朝夕たっぷりと水やりをし
ます。特に風の強い日には、風の当たらないところに取り込みます。なお、花
付き株を入手した場合は、肥料は必要ありません。

 <切花にするとき>
 シュウメイギクは切花にしても風情がありますが、水揚げにはコツがありま
す。まず、花茎を長く切り、上部の2/3を新聞紙にくるみます。次に、たっ
ぷり水を張った深めのバケツに花茎をさしこみ、1晩〜1日くらい漬けるよう
にします。

 <花後の管理>
 花が終わったら、花茎を元から切り取ります。10月〜11月に鉢から抜き、
軽く根回りの土を落として、一回り以上大きな鉢か庭に植え替えます。この時
は、株分けをしてもよいでしょう。また、根伏せもできます(太い根を切って、
横にして軽く土をかぶせておけば芽が出ます)。

----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*--

================================================
(5)季節の手入れポイント
================================================

 <花壇・ガーデニング>
 猛暑の割には適度のお湿りと涼しい日が混じり、今年の夏は比較的過ごしや
すいように思えます。夏もそろそろ先が見えてきたようです。夏花壇の草花で
だいぶ痛んできている所は、夏花壇をあきらめ、秋花壇の準備をしましょう。

*協会のホームページ“季節の園芸作業”に秋冬花壇用の夏の種子まきの仕方
が載っています。ご覧ください。
=> http://www.gardening.or.jp/colum/index.html#tanemaki

 <花木・庭木>
 今年も台風の当たり年のようですね。これからが、台風シーズンの本番です
から注意しましょう。風通りをよくするために、茂りすぎたところの枝を間引
きしておきましょう。

 今年植え付けた木や根が弱っているものには、しっかりとした支柱を立てて
おきます。また、台風の通り過ぎた後は、頭から水やりし、塩分を洗い流すよ
うにしましょう。なお、ツバキではチャドクガの2回目の発生シーズンです。
発生を見つけたら、スミチオン乳剤を散布します。

*協会のホームページ“季節の園芸作業”に台風対策が詳しく載っています。
ご覧ください。
=> http://www.gardening.or.jp/colum/index.html#typhoon

 <花鉢物・観葉植物>
 同じ晴れの日でも、風のある時と無い時では、土の乾き方が違います。風の
強い日は乾き方が特に強いですから、水切れさせないよう注意しましょう。

 また、8月も半ばが過ぎて多少暑さが和らぐと、植物の吸水も少なくなりま
す。夏の盛りと同じように与えていては多すぎることもありますから、土の乾
き具合を確かめて与えるようにしましょう。

 そろそろ、月下美人の2回目の開花時期が近くなってきました。一夜花です
から、蕾が大きくなってきたら、室内に取り込んで鑑賞できるよう準備をして
おきましょう。

 暑さに強く、夏中花を咲かせ続けるハイビスカスやアブチロン、サンタンカ、
アメリカンブルー、ポーチュラカ、ヂュランタなどの鉢物は、肥切れしないよ
うに定期的に(置肥なら月1回、液肥なら月1、2回)追肥しましょう。

 <家庭菜園・ハーブ>
 ナス(切り戻しをしましたか)やピーマン、オクラなどはまだ収穫が続きま
すが、その他の夏野菜は衰えてきますので、次作の準備の時期になります。

 秋冬野菜の種子まきの目安は、ダイコン(8月下旬〜9月上旬)、ハクサイ
(8月中旬〜9月上旬)、レタス(8月下旬〜9月上旬)、シュンギク(9月
上旬〜10月上旬)、ホウレンソウ(9月上旬〜10月一杯)です。早めに種
子をまいておいたキャベツやブロッコリーは9月上旬に畑に植え付けます。

---PR-------------------------------------------------------------------

■■■■■■■■ 通信教育「野菜講座」のご案内 ■■■■■■■■

〜安全、おいしい、売れる野菜150種が作れる〜

 狭い土地でも多品種を輪作で作るのに向いている品種、最近注目されている
西洋野菜、地方特産野菜など、おいしくて付加価値が高く、これから売れそう
な150品種を、日本を代表する野菜研究家が厳選し、その栽培方法をお教え
します。

 有機農法や低農薬・減化学肥料で作りやすい品種ばかりなので、安全です。

 家庭菜園愛好家から農家の方までおすすめの講座です。

 とれたて野菜を販売するのに最適な直販、宅配の販売戦略やインターネット
での野菜販売ホームページの作り方など、成功のノウハウも詳しく学べます。

◎詳しい講座案内パンフレット無料送呈中◎
=> http://www.happy-semi.com/home/emya.html

-------------------------------------------------------------------PR---

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

★今号のプレゼント★

 今号のプレゼントは「ガーデンニッパー」です。

 芝生のお手入れ・除草作業・苗の移し替えなどの作業が、手を汚さずにでき
る便利なニッパーです。先端部はステンレスのはさみ状になっているので、除
草フォークのように雑草の根を地中に残さず、芝の根も傷つけることなく根こ
そぎ取ることができます。

 今回は、こちらの「ガーデンニッパー」を10名様にプレゼントいたします。

 ご希望の方は、件名に「プレゼント希望」と書いて、ご住所、電話番号、お
名前を記入して、下記までご応募ください。締め切りは8月29日です。

発表はプレゼントの発送をもってかえさせていただきます。

【プレゼント応募先】 
present34@gardening.or.jp

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

最後までお読みいただいてありがとうございます。

*************************************************************************

【ご意見、ご要望は】
goiken@gardening.or.jp

【登録解除、アドレスの変更】
http://www.gardening.or.jp/mail/index2.html

【広告のお申込み、各種お問合せ】
 info@gardening.or.jp

※このメールは、園芸ファン通信の配信を希望された方にお送りしています。
※園芸ファン通信に掲載された記事を転載希望の方はご連絡ください。
※バックナンバーは下記でご覧になれます。
 http://www.gardening.or.jp/mail/index.html
※園芸相談の回答は、日本園芸協会ホームページの「園芸Q&A」に掲載して
 います。 http://www.gardening.or.jp/qa/index.html

 日本園芸協会 〒151-8671 東京都渋谷区元代々木町14-3
 http://www.gardening.or.jp

*************************************************************************

2003年07月28日号 トップページへ 2003年09月19日号

メールマガジントップページ | ページの先頭へ | 園芸協会トップページへ |