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2003年10月03日号 トップページへ 2003年11月07日号

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    園芸ファン通信      【Vol.37】  2003年10月20日号

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 紅葉前線も大分南下してきましたね。今年は夏が低温だったので、色づきの
具合が心配されましたが、例年なみの見事さを見せてくれているところが多い
ようです。
 さて、全国のイロハモミジの紅葉日を調べてみました。あなたの地方の紅葉
の進み具合を調べてみましょう。

旭川10月21日 札幌10月23日   仙台11月15日 新潟11月11日
東京11月28日 名古屋11月19日  大阪12月3日  松山12月10日
福岡11月19日 鹿児島12月7日  (国立天文台資料より)

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(1)人気のワイルドストロベリーを植えよう
  ―――植え方と育て方を詳細紹介!!

(2)新品種・珍品紹介
  ―――黄色いツバキの新品種、空気浄化に抜群のヒマラヤザクラ・冬咲き、
       アフリカの熱帯花木ほか

(3)山野草秋の手入れ
  ―――置き場所、水やり、施肥ほか

(4)今日から見に行ける最新・菊花展情報

(5)季節の手入れポイント
  ―――花壇・ガーデニング、花木・庭木、花鉢物・観葉植物、
       家庭菜園・ハーブ

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(1)ワイルドストロベリーの植え付け 
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 相変わらず、ワイルドストロベリーが人気ですね。ワイルドストロベリーは、
普通のイチゴと同じバラ科イチゴ属で常緑の宿根草。原産地はヨーロッパで、
林や原野の下草として生えていたもの。日本でも北海道では野生化しています。

 ワイルドストロベリーは、今、植えれば、初夏に可愛らしいかイチゴが収穫
できます。ガーデンセンターなどでポット苗が販売されていますから、ぜひ、
チャレンジしてみましょう。

●入手
 寒くなる前の今頃がよく、あとは春(3、4月)。苗はあまり葉の軸が長く
なく、葉も大きすぎないものを選びます。

●鉢と用土
 プラ鉢でも駄温鉢でもよく、大きさは4号鉢に1株植えくらい。プランター
(長さ60センチ)ならば2、3株植え。用土は、庭土や赤玉土に堆肥や腐葉
土をすきこんで、貝石灰などの石灰分を一握り加えればよいでしょう。

●植え方
 用土にマグアンプKなどのリン酸とカリ分の多い粒状肥料を一つまみ混ぜて
から、根を広げて浅めに植え付けます。

●庭植え
 日向から少し陰になったところか、背の高い落葉樹の下などの半日陰がよい
でしょう。日陰過ぎると実がなりにくいので注意します。土には、やはり堆肥
や腐葉土に、石灰分を一握くわえて混ぜて起きます。なお、ランナーを出して
茂りますので、株間は30センチくらいとるようにします。密植すると、風通
りが悪くなり、病害虫の発生が多くなります。

●その後の管理
 葉が古くなったら切り取り、3月に追肥(マグアンプKなど)をします。寒
さには強いので冬も外に出しておいて大丈夫です。冬に暖かい室内に取り込む
と、花が咲きにくくなります。

●病害虫防除
 アブラムシが付いたら生の牛乳を霧吹きでスプレーすればよいでしょう
(1週間おきに2、3回)。夏に葉裏にハダニが付いた場合(葉に白っぽい斑
点ができる)は牛乳やコーヒーの飲み残しのスプレーするか、ホースで葉裏を
洗います。葉や果実にカビが生えてきたら(灰色かび病など)、切り取って処
分します。果実のない時期なら、殺菌剤(ベンレートなど)の散布しましょう。

●利用
 果実はイチゴと同様に生食やジャムに。葉(フレッシュまたはドライ)はテ
ィーや歯垢取りに、ドライにしてポプリにも使えます。

<ワイルドストロベリーQ&A>

◎花が咲かないのは?
->肥料のやりすぎ(特に油粕などの窒素肥料の多肥は禁物)

->水のやりすぎ(水やりは土が乾いてからたっぷり与えるのがコツ)

->冬に室内に取り込んだ(寒さに当たらないと花が咲きにくい)

◎果実が大きくならないのは?
->肥料のやりすぎ、水のやりすぎ

->夏に花が咲いた(暑さに弱いので夏は果実がなりにくい)

◎花が黄色いが
->本来の花は白色です。花が黄色いのはヘビイチゴの系統(これもワイルドス
トロベリーと呼ばれています)で、赤く球状に稔る果実は薬用になります。

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(2)新規種類を手がけよう 
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 庭に変化をつける方法の一つが、新しい植物を植えること。それがまだ、あ
まり出回っていない種類なら、自慢になりますね。最近、町やカタログで見つ
けた珍しい種類を紹介します。

◎黄色系ツバキ「黄の旋律」
 黄色いツバキの作出の親として金花茶(カメリア・クリサンタ)が導入され、
注目を集めたのは20年くらい前になりますね。金花茶系交配の初期品種とて
は、「初黄」や「黄の蝶」などが知られますが、最近、F2(雑種第2代)の
「黄の旋律」が作出され、販売されるようになりました。

 花は淡黄色中輪、ふっくらとした八重咲きです。まだ黄色が薄いのが気にな
りますが、花形などは大分よくなってきているようです。

◎ヒマラヤザクラ(Prunus cerasoides  バラ科)
 ヒマラヤ地方原産で、サクラの仲間には珍しくほぼ常緑で、開花時期は11
月〜12月。花は淡桃色で他の冬咲きのサクラよりも華やかです。耐寒性は
ー5℃くらいまでは耐えられ、病害虫も少ない強健種。空気の二酸化窒素
(No2)の吸収力が強く、環境浄化樹木としても注目されています。

◎ドンベヤ(  アオギリ科)
 最近、熱帯花木類が多く紹介されていますね。ドンベアもその一つで、アフ
リカ原産、4m位になる低木で、白〜桜色のかわいらしい花がまとまって多数
付きます。常緑〜半落葉。耐寒性は5℃くらいと考えるとよいでしょう。ブル
ゲッシアエ(Dombeya burgessiae)とワリッキー(D.wallichii)
の2種が出回っています。

◎地湧金蓮(ちゆうきんれん Musella lasiocarpa バショウ科)
 バナナを小さくしたような変わった花姿で、淡路花博では目玉植物の一つと
して評判になりましたね。苗が導入され、ここ数年で入手可能になりました。
意外と寒さに強く関東南部まで庭植え可(-5℃くらいは耐えられる)。日当
たりと水はけのよいところを選んでください。鉢植えは7号鉢以上の大で鉢。

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(3)山草の手入れ
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 山草棚では、リンドウ類やホトトギス類、ノギク類、イワシャジン、ダイモ
ンジソウなどが目を楽しませてくれています。秋の山野草展や即売会で、良株
を入手された方もおいでなのではないでしょうか。ポット植えの花付き株を入
手した場合は、花が終わるまでは植え替えず、開き遅くなってからか、早春に
山草鉢まどに植え直すようにします。

●置き場所
 シダ類やカンアオイ類など日陰を好むもの以外は、日当たりで管理します。
テンナンショウ類など葉が枯れた種類は、棚下に移します。

●水やり
 これから活動を始める球根類もあれば、そろそろ葉が枯れだして休眠に入る
株もあります。前者はたっぷりと水やりするようにし、後者は土の乾き具合を
確かめながら、水やりの間隔をあけるようにします。

●施肥
 気温も安定し肥料の効果が上がる時期です。地上部の残っているものや生育
を始めた球根類などには、ハイポネックスなどの液肥でも固形肥料でもよいの
ですが、リン酸とカリ中心の肥料を与えましょう。草木灰なども効果がありま
す。

●病害虫防除
 アブラムシやイモムシ・ケムシ類の発生があります。また、休眠に入った株
を棚下などに取り込む場合は、鉢裏などにナメクジが付いていないかよくチェ
ックしてから行います。

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(4)菊花展情報
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 そろそろ、菊花展の開かれる季節になりました。会期の早いところを紹介し
ます。観覧時間や行き方については、電話かホームページで確認しましょう。

◎二本松の菊人形(10月1日〜11月25日) 
福島県二本松市(県立霞が城公園) 有料 
連絡先Tel 0243-23-5626(会期中 期間外0243-23-1111) 
http://p133.posn.co.jp/~nihonmatsu/kiku.html

◎笠間稲荷の菊まつり(10月18日〜11月24日)  
茨城県笠間市(笠間稲荷神社) 無料(菊人形展は有料) 
連絡先 Tel 0296-73-0001(神社社務所) 
http://www.kasama.or.jp/

◎たけふ菊人形(10月3日〜11月3日) 
福井県武生市(武生市中央公園) 有料 
連絡先 Tel 0778-21-0175(市商工観光課) 
http://www.city.takefu.fukui.jp/kiku50/

◎名古屋城菊花大会(大菊・山菊の部10月20日〜11月24日) 
愛知県名古屋市(名古屋城) 有料(城観覧料) 
連絡先 Tel 052-231-1700(管理事務所) 
http://www.nagoyajo.naka.nagoya.jp/event15/kikua.html

◎大阪市菊花大会(10月21日〜11月16日) 
大阪市天王寺区(天王寺公園) 有料(公園入場料) 
連絡先 Tel 06-6771-8401(公園事務所) 

◎ひらかた大菊人形(10月3日〜12月7日 菊花コンクール10月25日〜11月16日)
大阪府枚方市(ひらかたパーク) 有料 
連絡先 Tel 072-844-3475 
http://www.hirakatapark.co.jp/

◎日本菊花全国大会(盆養の部10月19日〜11月24日) 
大阪府和泉市(国華園) 無料 
連絡先 Tel 0725-92-2737(国華園) 
http://www.kokkaen.co.jp/

*協会のホームページ“季節の園芸作業”の10月号にそのほかの菊花展のス
ケジュールが載っています。ご覧ください。
=> http://www.gardening.or.jp/colum/index.html#kiku

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(4)季節の手入れポイント
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 <花壇・ガーデニング>
 気温が低くなるにつれ、庭の草花も花色が澄んできているようです。ダリア
などは今年最後の花を咲かせてくれています。花の終わったシュウメイギクや
スカビオサ、また、アカンサスやギンパイソウ、ジャーマンアイリス、スズラ
ンなどの宿根草で株が込みすぎているようなら、植え替え・株分けをしましょ
う。
 掘り上げた株を植えるときは、以前とは違った場所を選び、同じ場所に植
えるときは土を入れ替えるようにします。

 <花木・庭木>
 歩いているとサザンカや早咲のツバキの花が目に付くようになりました。実
物ではムラサキシキブ類、ウメモドキ、ツルウメモドキ、ヒメリンゴなどの実
物類やカキなどの果樹類が庭を彩ってくれます。マツ類のコモまきは寒くなる
前に行います(マツケムシが降りてくる前)。生垣の止め刈りを済ませていな
い方は早めに行いましょう。

 <花鉢物・観葉植物>
 今年は暖かいのか、寒いのか分からないよう気ですね。昼間は温かくても、
夜の気温はだいぶ下がってきています。寒さに弱い鉢植え類は、早めに取り込
むようにしましょう。花が咲くのに低温の必要なクンシラン、マダガスカルジ
ャスミン、シンビジウム、デンドロビウムは、もう霜の降りだした地方以外で
は戸外の日当たりのよい場所で管理します。

*種類別の取り込む目安は、協会のホームページ“季節の園芸作業”の10月
号に載っています。ご覧ください。
=> http://www.gardening.or.jp/colum/index.html#torikomi

 <家庭菜園・ハーブ>
 ハクサイやキャベツ、ブロッコリー、ホウレンソウ、シュンギク、レタス、
ニンジンなどは、そろそろ収穫できるようになります。大きく育ってきたもの
から収穫しましょう。また、サツマイモの収穫は霜が降りる前、晴れた日に行
います。
 ハーブでは、センテッドゼラニウムやヘリオトロープは室内に取り込み、レ
モングラスやメキシカンセージ、パイナップルセージ、ナスターチウムなど寒
さに弱い種類は、霜が降りない間は戸外でよいのですが、庇などの下で保護し
てやりましょう。

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最後までお読みいただいてありがとうございます。

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