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2003年11月07日号 トップページへ 最新号

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    園芸ファン通信      【Vol.39】  2003年11月28日号

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■「GAREN BOOK 2004」 発売のお知らせ■
 
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 今年は、春は訪れが早くて高温気味、夏は短くて低温、秋は高温気味のようで
した。さて、この冬はどうなるのでしょうか。
 そろそろ紅葉も終わりに近づいたようです。北の地方からは雪の便りもだいぶ
届いています。冬囲いや霜の対策などは早めにすませておきましょう。

■■■■■■■■■■■■■■■今号の目次■■■■■■■■■■■■■■■

(1)今、バラを植えれば、夏に美しい花が楽しめます
  ―――バラ2年生大苗の植え付けの方法

(2)まだ植えられる秋植え球根
  ―――ユリ、スイセンの植え付け

(3)お正月用に庭を整えましょう
  ―――ウメ、ボケ、マツ、ヒバ類の手入れ

(4)庭の模様替えの好季です!!
  ―――落葉果樹・庭木・花木の植え付け

(5)季節の手入れポイント
  ―――花壇・ガーデニング、花木・庭木、花鉢物・観葉植物、家庭菜園・
        ハーブ

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(1)バラの植え付け 
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 そろそろ、バラの大苗(2年生株)が販売される時期です。お気に入りの品種の
苗を植えて、来年はローズガーデンにチャレンジしましょう。

●植え付けの時期 
11月〜3月上旬

●よい苗の選び方 
ポット植えのものと、根巻き苗(根を麻布やビニール布で包んだもの)がありま
す。すぐに植えるのでしたら、株の充実した根巻き苗でよく、そうでないなら、
ポット植えの苗の方が安心です。共に、太く充実した幹が 3本以上でていて、幹
に傷が無いものを選びます。

●植え場所 
日当たりがよく、水はけ、水保ちがよい場所がベストです。あらかじめ、腐葉
土や堆肥、石灰類などをすき込んでおきます。

●苗の調整 
植える前に土を落とし、長すぎる根を切り詰めから、水を入れたバケツなどに
いれます。幹はそれぞれ、接ぎ目から20センチほど上で、外に向いた太い芽
のところで切り詰めます。

●植え方 
植え穴は大きさ、深さとも50センチくらい掘り、底に元肥として有機完熟肥
料を300グラムほど入れて土と混ぜ、10センチほど土を被せてから根を広
げて植えつけます。

植える高さは、接ぎ木の接ぎ口が地面よりちょっと高くなる程度です。根のあ
いだに土が入るように棒で突っつきながら土を根ぎわまでかぶせます

●水やり 
この段階でたっぷりと水やりし、株をゆすって土と根をなじませます。水が引
いたら、さらに土を接ぎ口くらいまで被せます。

●支柱 
植え付け当初は、風で倒れたりすることがありますので、簡単な支柱をつけて
おきましょう。

●マルチング 
冬は乾燥するので、稲ワラか堆肥などを株元に敷きつめ(マルチング)ておき
ます。

 <鉢植えの場合>
 鉢は 8 (24 センチ)〜 10 号(30 センチ鉢)くらいの大鉢、用土は市販のバ
ラ培養土でよいでしょう。植え付けの方法は、庭植えの場合と同じですが、元肥
は入れません。根付いた頃(植え付け 1 ヵ月後)に、有機固形肥料を 1 掴みほ
ど与えます。

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(2)ユリ・スイセンの植えつけ
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 秋植え球根の中では、ユリとスイセンは植え付け時期が遅い種類で、まだま
だ植えつけられます。球根の値段も安くなっていますから、よい球根を選んで
植えましょう。

 <良球の条件>
●鱗片がよくしまり、持ったときに重たく感じられるもの

●球根の下からでている根が多くて、根の元から先まで白く生き生きとしてい
 るもの(ユリの場合)

●球根や根にカビが生えていたり、鱗片が干からびていたり、褐変していない
 もの

 <ユリの鉢植えの方法>
●鉢 
大きくなるオリエンタルハイブリッド(カサブランカやルレーブなどヤマユリ・
カノコユリの系統)は 10 号鉢に 3 球植え程度。球根が小さい場合は 5 球くら
い植えてもよい。最近新品種が多くなっているアジアチックハイブリッド(スカ
シユリやオニユリの系統)は、8 号鉢に 5 球程度。

●用土 
赤玉土(中)7に腐葉土3くらいの混用土。市販の培養土を使う場合は、水は
けを図るため川砂や赤玉土を2割くらい混ぜる。

●植え方 
(1)鉢底に鉢の高さの1/5程、ごろ土を入れる

(2)ごろ土の上に2センチほど土をかぶせる。この土にはオルトラン粒剤と
マグアンプkなどの緩効性肥料をそれぞれ小さじ1杯ほどまぜておく。

(3)そこに球根をバランスよく配置し、支柱や支柱リンクを立て、土を入れ
る。土の量は鉢の上部2センチを空ける程度。ユリの植えつけは、上根(発芽
後に茎から伸びる根)が伸ばせるように、このように深植えにするのがポイン
ト。
 なお、スイセンは普通の植え方でかまいません。
 
 <ユリの庭植えの方法>
●植え場所 
カサブランカなどオリエンタルハイブリッドの園芸品種やヤマユリは、茎の下
部に日が当らない、やや木陰気味のところ。アジアチックハイブリッドはよく
日の当る花壇がよい。

●植え方 
植え方の基本は鉢植えと同じ。植える深さは、球根の高さの3〜4倍。
 なお、スイセンは明るい落葉樹の下のなどに、4、5球まとめて植えるとよ
いでしょう。3、4年植えっぱなしでもかまいません。

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(3)正月を迎えるための庭木の手入れ 
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 そろそろ紅葉も終わるにかかりましたね。庭でも落葉が始まり、庭木も休眠
期に入るところです。

 ウメやボケなどは葉が落ちると、花芽が見分けられるようになりますから、
冬の剪定が行えます。マツ類のもみ上げ(葉むしり)は春までのあいだに行え
ばよいのですが、なるべくこの時期に行いたいもの。ヒバ類の整姿も同様です。
正月をきれいな庭で迎えるために、庭木の手入れを行いましょう。

なお、雪の積もる地方では、根雪の前に手入れを終わらせます。

<ウメの剪定>
 ウメの花芽は夏に分化します。葉が落ちる頃になると、花芽(丸くふっくら
とした芽)と葉芽(先が尖がった細長い芽)が見分けられるようになります。

ウメの冬の剪定は、込みすぎたところの枝を間引き、伸びすぎた枝を切り詰め
ます。短い枝によく花芽を付けますので、大切に残します。全体として、均等
に花芽が残るように按配します。

<ボケの剪定>
 ボケの花芽は今年伸びた新梢の節と、去年伸びた枝(2年生枝)の基の方に
できます。花芽はつぶつぶとした丸い芽で、細い葉芽とは別の節にできます。

剪定は特に込みすぎたところの枝を間引き、根元から出る不要なヒコバエ(花
芽が付かない)を切り取ります。枝先の小枝にも花芽がつきますが、高くなり
すぎた場合は、バランスを見て枝の付け根で切り取ります。

枝を切り詰める場合は、葉芽を残してきりましょう(葉芽がないと枝が枯れこ
みます)。

<マツのもみ上げの方法>
 古くなって垂れ下がった去年の葉と、不要な枝を切り取り、木姿をすっきり
とさせる作業です。

(1)込みすぎた部分の枝や枯れ枝をはさみで切り落として樹形を整える

(2)枝先の古い葉(去年でた葉)を手でむしりとってすっきりさせる
  ●クロマツは下に垂れている古葉を全て取り(横向き以上の葉を残す)

  ●アカマツは垂れ葉を少し残してしなやかな感じ

  ●ゴヨウマツは古葉も多少残して葉群をこんもりさせる

このもみ上げは、手袋をして行うと手にヤニがつかないですみます。はさみで
葉先を切るのは禁物です。
 
<ヒバ類の手入れの方法>
 伸びた枝葉を整理して、葉や枝の形を整える作業です。

(1)葉のかたまりごと掌ではさんで軽くもみ、古葉をおとす

(2)長く伸びた枝、垂れすぎた枝や立ち枝をはさみで切り取る

(3)葉先を丸い感じやイチョウ形に整える

 面倒だからといって、葉先をばっさりとはさみで刈りこむ方法は禁物です。
葉先が赤茶けて見苦しくなります。

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(4)落葉果樹・庭木の植えつけ 
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 庭の模様替えや記念樹の植え付けは今の時期が好季。葉が落ち休眠に入った
落葉果樹や落葉花木は、今の時期に植えれば失敗が少ないですし、出回る種類
が春よりも多いですから、好みの種類・品種が入手できます。

<植えられる種類>
 ウメモドキ、オオデマリ、ガマズミ類、モクレン・コブシ類、カエデ、ボケ、
カイドウ、サクラ類、果樹ではウメ、モモ、リンゴ、ナシ、クリ、カキ、ブド
ウなどが植え時です。

<よい庭木の条件>
●木の形のよいもの

●枝が四方に伸びているもの

●幹肌が生き生きしているもの

●根鉢がある程度大きく、細根が多数ついているもの

●太い根を切った痕がないもの

<果樹・庭木の植え方>
(1)根鉢よりも大きめの植え穴を掘る(深さは根鉢の高さよりも深く)

(2)底に堆肥を入れ(苗木の場合は化成肥料も少量を入れる)少し土を戻す

(3)根元が地面の高さよりも多少高くなる程度で苗木をすえる
(1本立ての果樹苗は、幹を切り詰めて植えつけます)

(4)土を8分目くらい入れて、水をたっぷりと注ぐ

(5)根鉢を棒で突き、土を根の周りに行き渡らせる

(6)土を元の高さまで戻す

(7)植え穴の周囲に丸く土手状に土を盛って(水鉢)、その中にもう一度水
を十分に注ぐ(この方法は水極めといい、マツ類やナンテンなどは水を使わな
い植え方=土極めをします)

 なお、協会のホームページ『季節の園芸作業』の11月号に落葉果樹の植え
付け方法の図解が載っています。ご参照ください。
=> http://www.gardening.or.jp/colum/index.html#uetsuke

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(5)季節の手入れポイント 
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 <花壇・ガーデニング>
 冬花壇の具合はいかがですか。これからチューリップを追加で植えるときは
(値段も大分安くなっているはずです)、外側の皮をむき、やや浅め(球根1
個分くらいの深さ)にするのがポイントです。

秋まきの草花の中では、スイ―トアリッサムやクリサンセマム・ムルチコーレ
はやや寒さに弱いので、強い霜の降りる地方では、霜よけや風除けを作ってや
りましょう。パンジーやビオラ、デージー、ハボタンは耐寒性が強いので、根
付いてしまえば、ダメージを受けることはほとんどありません。

 球根では、ユリやスイセンが植えられます。

<花木・庭木>
 そろそろ早咲のツバキが咲きだし、庭も冬の装いに変わります。
 お正月用にウメやボケの剪定をし、マツ類のもみあげ、ヒバ類(チャボヒバ、
イトヒバ、スイリュウヒバ)の整姿をする時期です。

 また、落葉果樹や庭木類の植え付けができます。新しく果樹や花木を取り入
れて、庭の模様替えを行いましょう。

<花鉢物・観葉植物>
 冬の室内をあったかく飾ってくれるシクラメンやプリムラ類、シンビジウム、
デンドロビウム、ポインセチア、クリスマスカクタス(シャコバサボテン)、ク
リスマスベゴニアなど鉢物類は、鉢数も多くなり値段も手ごろになる今月の末か
ら来月の初めが、入手の好期です。

協会のホームページ『季節の園芸作業』の11月号に代表的な鉢物の入手と管
理のポイントが載っています。ご参照ください。
=> http://www.gardening.or.jp/colum/index.html

 そろそろ初霜も心配になります。まだ、取り入れていない非耐寒性の鉢物が
あれば、早めに室内や軒下に移しましょう。
 
<家庭菜園・ハーブ>
 北の地方ではそろそろ根雪に入る時期で、関東あたりでも雨が冷たく感じら
れます。菜園やハーブガーデンもそろそろ冬支度になります。

 ネギやニンジン、タカナ、カラシナなどはそろそろ収穫の時期です。収穫に
あまった野菜類は土寄せをすれば、しばらく保てます。タカナなどは寒さに当
たると、味に深みがまします。また、これから育つ、ホウレンソウやコマツナ
などには霜よけをつくってやりましょう。

 地上部が枯れてきたハーブ類は株元で切り取り、根元を腐葉土や堆肥でマル
チングしておきます。非耐寒性のハーブは霜が降りる前に室内やフレームなど
に取り入れます。

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★前号のプレゼント★

 前号のプレゼント「バキュームブロワー・ターボクリーン」に、たくさんの
ご応募をいただきましてありがとうございました。

 100名を越えるご応募をいただきましたので、抽選で1名様にお送りいた
しました。次のプレゼントは、次号でご案内いたします。

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最後までお読みいただいてありがとうございます。

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