日本園芸協会毎月の庭木の手入れ
ENJOY!

■12月■ 1月 ■2月■
平均気温: 帯広-9.0度 札幌-5.1度
仙台0.6度 東京4.1度 新潟1.8度
京都3.5度 松山5.0度 鹿児島6.7度

 一年の計は元旦にあり、といいます。お正月を迎えてほっとした気分になる反面、何か新しいことをやってみたいなあという気分になりませんか? 1月5日は小寒でこれから寒さを増し節分まで寒の内、北西の風が強く、裏日本では雪に閉ざされ曇天が続きます。こんな時は外での作業は思うに任せませんが、かえってこの時期を利用してやりたい仕事もたくさんあります。

(1)庭木に肥料をやりましょう。
普通の庭木は特に肥料をやらなくても大丈夫ですが、このごろは小さな木を入れることが多く、剪定した枝葉を 外に搬出してしまいますので、とかく有機質が不足しがちです。また昔と違って果樹や花木をたくさん取り入れるようになりましたので、適度の施肥が必要になってきました。

つぼ肥え

{1}肥料は何が良いのでしょう
 庭木の根は新芽の出る前に伸長をはじめますので、2月には肥料が吸収されるようになります。 それで寒の内に、ゆっくりと分解されていく遅効性の肥料をやるのが良いのです。これを寒肥といい、有機質肥料を主として施します。これは、腐葉土、ピートモス、バーク、たい肥、魚かす、骨粉、油かすなどで、庭木に最も良い肥料です。 庭木や材木用に固形肥料として市販されているものもあり、これがもっとも簡便な方法です。

苗木の肥料やり

[2]肥料のやり方は...
 庭木の根は、大体枝先の下辺りまで広がっていて、あまり遠くには伸びていないものです。 枝下か、太いものは幹直径の5〜6倍の所に輪状に深さ20cmくらいの溝を掘り、ここに施肥をして土をかぶせます。下草やコケ、シバの所は初めにスコップで取り除いて施肥が終わったら元へ戻します。施肥の深さは深いほど効果があり、土も柔らかくなるので手間を惜しまずにやりましょう。がたくさんある所では、つぼ状に穴を掘り、そこへ埋めておきます。油かすなどを地面へぱらぱらと撒くのは、最も簡便な方法ですが、これは雨が降ると肥料部が流れてしまいますし根が浅く貼るようになってしまい、夏の乾燥時に乾きに抵抗性がなくなってしまいます。やはり手抜きは駄目なのです。 花壇で草花を栽培している場所は、いつまでも同じ土を使っていますと病虫や害虫がいっぱいで、養分欠乏を起こして良い苗が育たなくなってしまいます。こういう場所は、思いきって深く耕して上と下の土を入れ替える「天地返し」を するとか、古い土を外へ出して新しいよく肥えた土を入れ替える「客土」をすると良いのです。

(1)病害虫の防除は今から
 庭木の葉が無い時は害虫の卵などが見つけやすいので、12月に引き続き、病害虫防除の適期です。 サクラやカエデの枝の分岐点に小さい卵型の殻を付けているのは、イラガのまゆです。鳥が喜んで食べますが、幼虫は人を刺す害虫ですから、つぶしておきます。 ミノムシは枝にぶら下がっているいるだけでなく、生垣や塀、建物のひさしや壁などあらゆる場所にぶら下がっていますので、とってつぶします。カイガラムシも竹ベラでかき落とすだけでよいのですから、とっておきましょう。 薬剤散布も12月に行わなかった場合は、この月に石灰硫黄合剤を散布するとよいでしょう。