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園芸ファン通信 【Vol.5】 2002年1月10日号
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★1月前後半の行事 元旦(1月1日) 小寒(1月5日) 成人の日(1月14日)
新年、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
さて、今冬は年内から本格的な寒波が到来し、気象庁予報(北日本以外は平
年並かやや暖かい可能性)よりも厳しい冬になりそうですね。5日が小寒、
20日が大寒と、この1月が1年で一番気温の低い月です。日本各地の1月で
の、1日の最低気温(日最低気温)の平均値(日最低気温の月別平均値)を調
べました。
・旭川(−12.6℃)・札幌(−7.7℃)・仙台(−2.0℃)・新潟(0.0℃)
・東京(2.1℃) ・長野(−4.3℃)・名古屋(0.5℃)・大阪(2.5℃)
・鳥取(0.7℃) ・高松(1.2℃) ・福岡(3.2℃) ・鹿児島(4.1℃)
(国立天文台編 理科年表より)
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■季節の手入れポイント■
<花壇・ガーデニング>
戸外での作業は特にはありません。空いている花壇があったなら、天地返し
しておきましょう。シャベルなどで花壇を掘りかえし、下の土を上に出して空
気にさらします。寒さや乾風、日光に当てることで、病害虫の防除に役立ちま
す。
<花木・庭木>
秋から年内に、手入れをしていなかった方は、針葉樹、落葉果樹・花木の剪
定をすませましょう(バックナンバー参照)。特にモミジ・カエデ類は今月の
前半までが剪定の適期です(前号参照)。また、寒肥の時期です。今与えれば、
早春、根が動き出す頃にききだします。
<花鉢物>
室内に取り入れた寒さに弱い熱帯花木類や草花類の具合はいかがですか。落
葉性の種類は、枝を切り詰めて、水やりを少なめとし、常緑性の種類も水は控
えめに。また、アブラムシ、カイガラムシ、ハダニが発生しやすいので注意し
ましょう。表側だけでなく、たまには葉裏や葉の付け根、株元の葉の重なりあっ
ているところもチェックします。
新しく購入した鉢物類で花が次々と咲く種類には、追肥と花がら摘みをおこ
ないましょう(バックナンバー参照)。
<家庭菜園・ハーブ>
家庭菜園は休眠の時期。越冬させている種類も少なくなりましたね。ホウレ
ンソウやシュンギクなど、ビニルトンネルやべたがけシートをかけて育ててい
るものは、中でアブラムシなどの病虫害が発生していないか、時々調べてみま
しょう。また、ビニルトンネルを利用すれば、ニンジン、コマツナ、カブ、ダ
イコンなどの種子がまけます。今、種子をまけば、春〜初夏にかけて収穫でき
ます。
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■花木・庭木類に寒肥をあげましょう■
大きく育った庭木には肥料は必要ないのですが、苗木の間や、花木類・果樹
類には施肥(肥料を与えること)がかかせません。寒中に、ゆっくり分解され
てゆく有機質肥料を与えると、ちょうど根が動き出す頃にききだすのです(根
は芽より早く活動が始まります)。雪の積もっている地方では春になり、雪が
消えたらすぐに行ないます。
●寒肥に向く肥料の種類
油粕と骨粉を等量混合、魚粕、堆肥など。市販の有機固形肥料でもよい。
●肥料の与え方
樹冠幅いっぱいあたり(枝が遠くに一番伸びているところ)の真下くらいで、
輪状に深さ20センチほどの溝を掘るか、3、40センチほどの壷状の穴を6、
7個掘り、肥料を入れて埋め戻します。前者は低木、後者は高木に向く方法で
す。溝や穴を掘る時に根に当ったら、ハサミなどで根を切っておくようにしま
す。そうすると、細根が多く発生するようになり、下枝がよりしっかりするよ
うになります。
●与える分量
目分量でかまいません。幹の直径が5センチ以下の樹木なら50〜150グ
ラムくらい、それ以上大きくなったものは100〜200グラムくらい、花木
類・果樹類は大きめの数値で、普通の庭木類は小さめの数値を目安にします。
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■冬の薬剤散布■
12月の初めにマシン油乳剤を散布した方は、そろそろ石灰硫黄合剤をまい
てもよい時期です。今、薬剤散布しておけば、翌年の病害虫の発生がてき面に
少なくなります。
●冬の薬剤散布の目的
冬の薬剤散布は、マシン(機械)油乳剤と、石灰硫黄合剤を交互に散布し、
退治しにくいカイガラムシ類やハダニ類を防除するものです。石灰硫黄合剤は
ウメなどの黒星病、イブキ類のさび病の予防にも効果があります。
●石灰硫黄合剤の希釈と散布の仕方
ビンの石灰硫黄合剤は振るとジュウジュウと音を立てたりするので、ちょっ
とこわい気がしますが、説明書の通り薄めれば大丈夫です。希釈濃度は散布す
る樹によって違い、落葉した樹木には10倍、針葉樹や常緑樹には3、40倍
程度です。咲きかけた蕾や動き出した新芽には薬害を起こすことがあるので避
けて、幹や葉裏まで丁寧にかけます。薬液がガラスなどにつくと、白く残って
なかなか取れないことがありますので注意しましょう。
●注意
・石灰硫黄合剤はアルカリ性が強いので、石灰硫黄合剤の散布後に、マシン油
乳剤などを散布する場合は、1か月程度の間隔をとること。
・石灰硫黄合剤を散布した後は、噴霧器などは、食用酢を1%に薄めて洗い、
その後によく水洗いすること。
・石灰硫黄合剤はマツ類、ヤツデ、コバノナンテンには薬害を起こすことがあ
るので注意。
・マシン油乳剤は、マツ類(特にゴヨウマツ)、キャラボク、ヒマラヤスギ、
ツツジ・サツキ類、ウメには薬害を起こすことがあるので注意。
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■大雪が降ったら■
北の地方は、今年は大雪のようですね。コンスタントに雪が積もる地方では、
雪害対策に雪吊りやこも巻きをしていると思いますが、暖地でふいに大雪が降
ると、庭木類や鉢植えを傷めてしまうことがあります。そこで、大雪後の手当
ての方法。
・雪が大量に枝に積もったら
枝をむやみにゆすらないこと。寒さで硬くなった枝が折れてしまいます。枝
を下からそっと持ち上げ、少しづつ左右に揺らして雪を落とすようにします。
また、温度が上がってくると、屋根から雪がまとまって落ちて、下の樹の枝を
傷めることがあります。建物の近く樹には、板や竹竿をつぼめた雨傘状に組ん
で、すっぽりかぶせてあげるとよいでしょう。
・雪で棚上の鉢植えが埋もれてしまったら
そのままにしておくと、鉢の水分が吸い取られて、中が乾いてしまうおそれ
が。雪が止んで気温が上がってきたら、雪の上からたっぷりと水をかけ、雪を
溶かしてしまいましょう。ただ、雪が解けたあと、水分が多い状態で強い風に
当てると、鉢の中までがちがちに凍ってしまうことがあります。寒さに強くな
い種類は、水が抜けるまで、風の当らない棚下などに避難させましょう。
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■プリムラの話■
春の草花というと、まず第一に浮かぶのは、このプリムラ類ではないでしょ
うか。英語ではPrime(最初の)+Rose(バラ)で、Primrose(プリムローズ)。
春一番に咲く花として愛されています。プリムラ類は、もともと宿根草ですが
夏の暑さに弱いので、普通は1年草として扱われます。
<プリムラの代表的種類>
☆プリムラ・マラコイデス
小輪だが段咲きでにぎやかに咲き、寒さにも強い(凍らさなければもつ)強
健種。半ば以上咲いた花茎は早めに切り取るようにすると、株の勢いがよい。
中国原産。
☆プリムラ・オブコニカ
他のプリムラよりも弱光線に耐え、大輪で上品な色合いが持ち味。半日陰の
涼しいところに置けば夏越しできる(秋に植え替える)。中国原産。
☆プリムラ・ポリアンサ
大輪、鮮明で多彩な花色で人気が高い。肥後系などの八重咲き種も豪華感が
ある。伸びてきた葉は早めに横にずらすとよい。ヨーロッパで交雑改良された
種類。
☆プリムラ・ジュリアン
ミニポリアンサといった感じで寄せ植えなどに人気が高い。ポリアンサより
も寒さに強い。ジュリアエ(コーカサス原産)とポリアンサをかけ合わせで作
られてもの。
☆プリムラ・デンティキュラータ
春咲きの種類だが、促成で咲かせたものが出まわっている。花茎は最初は短
いが、すぐに長く伸びる。玉咲きサクラソウの名がある。ヒマラヤ原産で、本
来は山野草として扱う種類。
<プリムラ類の管理のポイント>
・よく日に当てる(オブコニカは半日陰程度)
・暖房の効いた部屋には置かない(最低温度5℃くらいがよい)
・花がらはこまめに摘み取る
・2週間に1回、薄い液肥を追肥する
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■イベント情報■
●日本盆栽作風展 1月10日〜15日 東京駅大丸(大丸ミュージアム)
連絡先 Tel 03-3821-4587
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